「クロック城」殺人事件 北山猛邦 講談社ノベルス

・アリス・ミラー城を読み終わってそのまま北山猛邦メフィスト章受賞作を読む。世紀末の世界が舞台でもう国家の力もなくなっているような世界で探偵をしている南の元に女の人が仕事の依頼に。その依頼された場所がクロック城と呼ばれる城でフランスにあったものを移動してきた城だという。そこのある部屋に浮き出てくるような人の顔が気になるのでどうにかして欲しいというのが依頼なのだが、設定について行くのが少し大変だった。警察などの国家はもう力を持たず世界を守ろうとしている二つの大きな団体である、十三人委員会という機関とSEEMとかいう機関がこの城に住む住人が世界の終わりに関係あるのではないかとにらんで絡んでくるのです。なんだかここらへんでもう普通のミステリではないなと思っていたんですが殺人が起きてからはミステリだったかな。その世界の設定とかが行き過ぎるとSFっぽい感じに(SFの定義もミステリの定義も私の中では曖昧ですが)なるのかなあと思っていましたがどうにかこうにはミステリなのかなあ。ただ、最終的にこの世界滅んでしまうような気がするのでなんともそこが読後感よくないかなあ。せっかく読んだのに救われないのかよ、と思ってしまいましたよ。全く話には関係ないんですがね。どういう基準でメフィスト賞だったのかメフィスト賞座談会に乗っていれば読んでみようっと。これで北山氏の作品は読み終えたのかな。ふぅ。